こんにちは。和歌山県下津町でみかんを育てている北文園の北東です。
今回は、近年増えている「獣害(じゅうがい)」について、当園で取り組んでいる対策をご紹介します。みかん作りにおいて、病害虫や天候の影響はもちろん悩みの種ですが、アライグマなどの野生動物による被害も見過ごせない問題になっています。

昨年、アライグマがゆら早生を食い荒らした
昨年の秋、当園の「ゆら早生(わせ)」の園地で異変が起きました。
収穫間近になったみかんが、ところどころ皮だけ残して中身をきれいに食べられているのです。初めは「イノシシかな?」と思いましたが、被害の痕跡をよく見ると、踏み荒らしが少なく、、裾の方に実った果実や切り落とした日焼け果やキズ果が食べられていました。。
その様子から、どうやらアライグマなどの小動物が侵入していたようです。
アライグマは見た目が可愛い動物ですが、農業者にとってはやっかいな存在です。夜行性で動きが素早く、繁殖能力がすごいんです。親子大勢で「みかん泥棒」となり、熟した果実を狙って食い荒らします。

今年もその兆候が…対策を決断
そして今年。まだ果実が青い時期にも関わらず、また同じような被害の兆候が見られました。
昨年の苦い経験から、「これは早めに手を打たねば」と思ってましたが、10月になってしまいました。
早速、園地の周囲を見回し、どこから侵入しているのかを慎重に確認しました。足跡の形や通り道の草の倒れ方などを観察した結果、イノシシにしては低すぎる位置に跡があり、やはり小動物によるものと推測されました。
電気柵を小動物仕様に設置
今年は被害を繰り返さないために、電気柵を新しく設置しました。
ポイントは「高さ」です。イノシシ対策用の柵はやや高めに設置するのが一般的ですが、今回はアライグマなど小動物の侵入を防ぐため、より低めの位置に設置しました。
1段目の高さは地面からおよそ20〜25cm程度として2段構え。小動物がくぐり抜けられないよう、電線の間隔を狭めて張り巡らせました。
電気柵は触れると軽い電流が流れる仕組みで、動物に「ここは危険だ」と学習させることが目的です。人間に影響が出るほど強い電流ではないので、安全性も確保されています。
設置から2週間、被害の拡大なし
電気柵を設置してから2週間が経ちましたが、今のところ被害の拡大は見られません。
獣害は、一度被害が出てからでは遅いことが多いものです。
「まだ大丈夫」と思っているうちに被害が拡大してしまうこともあります。
今回のように、兆候を見つけた時点で即行動に移すことが何より大切だと改めて実感しました。
これからも安心・安全な下津みかんを
これから収穫期に向けて、順次みかんの出荷が始まります。
自然豊かな下津の段々畑で育つみかんを、今年も皆さまの食卓にお届けできるよう、日々工夫と努力を重ねています。
獣害や気候変化など、農業には思いがけない課題が次々とやってきますが、それを一つずつ乗り越えるたびに、「より美味しいみかんを作りたい」という気持ちが強くなります。
今後も北文園では、和歌山・下津のみかんの魅力を発信しながら、農業の現場からリアルな情報をお届けしていきます。
旬の情報や生育の様子は、この「みかん日記」で随時お伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。
📦 箱で買ったみかんの保管方法について
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※当園では、こだわりの和歌山みかんを産地直送でお届けしています。
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