5月はみかんの栽培する中で作業の種類が多い時期となります
- 花の満開期に発生するカビから幼果を守る防除
- 新梢の葉を充実させる緑化促進
- 梅雨入り前の病気予防と害虫対策の防除
主な作業は以上の3つですが、雑草対策、液肥の数回散布など目白押しです
今年、自園では裏年傾向で着花量が少なく不作が予想れるため、緑化促進にて生理落下を減らしたいところです
健全な葉の様子
下の写真は去年の様子です
肉厚で張りがあり葉先が上を向いています
葉が巻いているのは、乾燥が続いていたので日光が当たる面積を抑えるために巻いています
蒸散をコントロールできている健全な1年生の葉です
下の方に去年の旧葉がありますが、開いたままで十分機能を果たせなくなっています
緑化促進とは
植物は葉で呼吸して、養分を作成するという重要な作業をしてくれます
今年の新葉は、100%の仕事量を発揮してくれますが、去年の葉は50%、一昨年の葉は25%と言われています
なので、新葉をアブラムシやミカンハモグリガの食害を減らすためにも、早く一人前に生育させる必要があります
新梢の緑化が早いと生理落果の軽減、樹勢強化、果実肥大促進につながります
葉の生育と幼果の生育で養分競合が起きるので、早めに緑化させることで幼果を守ることもできます
今年は裏年なので、生理落下をさせたくありません
また、気温が30度を超えると生理落下が起き始めるので、早く緑化させないと収穫量が激減してしまうので、対策が急務でした
そこで、自園ではマグネシウムやアミノ酸、微量要素の葉面散布と共に、マグネシウムとケイ酸資材の施肥を行っています
マグネシウム
植物には重要な必須元素が9種類あり、C(炭素)H(水素)O(酸素)はCO2、H2Oから供給されます
肥料の3要素は、N(窒素)P(リン酸)K(カリウム)
二次要素としてCa(カルシウム)Mg(マグネシウム)S(硫黄)があります
https://www.taiyohiryo.co.jp/knowledge/required.html
マグネシウムMgは、「苦土」とも称されていて、「苦土石灰」という肥料として販売もされています
葉緑素を作るのに必要不可欠な要素として、防除散布の際に液肥として混用散布とは別に撒きます
https://www.sc-engei.co.jp/fertilizer/working/Mg/
ケイ酸資材(ケイ素Si)
土壌改良剤となります
5月末~6月上旬に有機肥料を撒く予定なので、この時期に土壌改良剤を施しておきます
土壌の通気性、透水性、保肥力を改善してくれますので
先生は、「みかんの樹の胃袋を大きくする資材」と表現されています
また、植物体に有用な元素としてケイ素(Si)があり、野菜畑に撒くと、茎葉が丈夫になって倒伏しにくくなります
連作障害も軽減されるようです
微量要素というのは人間も必要不可欠なものですが、植物も同じなのですね
梅雨入り前に撒き終えることができました
今日の雨で地面に浸透してくれることでしょう
来週はかなり暑くなるようなので、生理落下させたくないので早く緑化してほしいなぁ
今年は災害なく経過してほしいものです