5月上旬、下津町がみかんの花の香りで包まれます
5月は花が咲き、幼果が誕生する劇的な変化が起きる時期となり、防除が目白押しの時期となります
※私の知識の整理としてまとめてますので、間違い等ございましたらご指摘頂けると幸甚です
防除は適期散布を基本
一度に防除をしてしまえば楽なのですが、病気や害虫はそれぞれタイミングがあるので、それに従って体力が許す限りこまめに実施を心がけています
5月は、4回防除を予定しています
花の状況で、
⇒開花期(訪花昆虫)、散り始める落弁期(灰色かび病・そうか病)に大事な作業の2つのタイミング
気温などの状況で、
⇒梅雨入り前のタイミング(アブラムシ・カイガラムシ、チャノキイロアザミウマ、黒点病、かいよう病)で大事な防除が2つあります
時系列にすると
- 5月初旬:訪花昆虫・ケムシ
- 5月10~15日:灰色かび病、そうか病
- 5月20日頃:カイガラムシ・チャノキイロアザミウマ・アブラムシ
- 5月下旬まで:かいよう病(強アルカリ性のため他の防除剤と混用できない)
2と3は同時に防除しても良かったかと毎年思案します
液肥を最高5回散布することを考慮し、重ねて天気が安定していたので、別々にすることにしました
花に起因する防除
開花期~満開までのタイミングは、訪花昆虫対策として防除することもあります
JAの営農指導員T氏によると、
訪花昆虫が蜜を吸いに来た際、温州ミカンの花の形状として幼果を傷つけることがあまりないとのことなので、私は訪花昆虫対策というよりも、ケムシ対策で1回目を行いました
みかんの一番初めの大事な防除:灰色かび病対策
満開~落弁期には、下の写真のように花弁が茶色くなり、幼果にまとわりつくようになります
この花弁にカビが発生します
それが、灰色かび病です

灰色かび病は、幼果に傷をつけてしまう
幼果にかさぶた状の傷ができ、成長と共に傷も大きくなっていきます
こんなかわいい幼果を傷つけるとんでもない病気です!!

果実が大きくなると、著しく見た目が悪くなり、商品価値を落としてしまいます
また、キズが大きいと夏場に生理落下してしまいますので、収量安定のためにも必要な防除と考えています


灰色かび病対策:ストロビードライフロアブル
予防効果に優れていて、胞子の形成阻害力で二次感染を防いでくれます
2,000倍に希釈して、液肥としてアミノ酸、NPKに加えて緑化促進のMgなど微量要素を混用して散布します
https://www.nippon-soda.co.jp/nougyo/product/4223/
5月上旬はカラッとした、朝晩が寒く感じるような天候でしたのでカビの発生は少ないように思われました
ですが、やはりすべての花の開花が一致していないことと、花が密集していると防ぎきれないようです
来年のための反省:風通しを良くするための剪定を!
先生に剪定頂いた見本樹と見比べると、明らかに風通しが劣ります
カビが発生しにくいことに加えて、花が密集していても花弁が落ちやすくなっています
やっぱり剪定って大事!
実際の散布は5月9-10日でしたが、15日以降はかなり高温になりましたね
防除は、必要最小限にしたいので、適期に、手散布できっちり施行していきたいと思います
秋の実りを楽しみにしていてくださいね