◎7月の作業振り返り ~虫と獣に翻弄される~

今月は想定外の2要因に翻弄

猛暑が襲ってきて辛い7月でした

涼しい朝早くに作業して、昼は長く休み、夕方は暗くなるまでという作業しないと体がもたない(汗

ただでさえ暑いのに、想定外の波乱万丈の1か月でした

7月にいったい何が起きていたのか!?

X(旧twitter)、Instagramでは随時投稿しているのにブログ更新が疎かとなっておりましたが、まとめてご紹介させて頂きます!!!

 

今月の主な作業

  • 地区の灌水事業の準備
  • 大発生したカメムシへの対応
  • 圃場の除草
  • イノシシの進入路対策と荒らされた石垣の補修
  • 極早生品種からの摘果と枝吊り

そう!害虫・害獣の脅威に曝されました!

カメムシとイノシシへの緊急対処に迫られたので、大慌てのひと月となってしまいました

 

本来なら余裕の作業月

第1週  地区灌水事業の仕事

第2週  雨の合間に、7月の防除と除草

第3週~ 摘果と枝吊り開始

一段落したらイノシシ対策の電柵張り

と比較的余裕な作業予定でした

 

やらかしてくれたのはカメムシ!

和歌山県では、先輩農家さんが今までに経験したことがないほどのカメムシの大発生に見舞われています

全国的に昨年から増加していますが、今年も継続して被害が出ています

https://blog.goo.ne.jp/ks-press/e/97846fcf9aede7c86ddb6d0b341b2188

うちの園でも、7月初旬に大量発生を確認

一部の圃場で大発生し、著しく落果しました

チャバネカメムシ 吸汁して変色した幼果が一面に落下しています

これからの時期、樹の着果バランスを見ながら摘果をして品質を整えます

  • 適度に着果負荷(ストレス)を与えて味を良くする(酸を上げる)
  • 収穫時のサイズを揃えるための摘果
  • キズ果、日照不良の果実の摘果

カメムシ被害による落果でバランスが崩れ、摘果ができなくなると大玉が多くなり品質低下を招くことになります

この圃場では、収量は昨年の半分くらいになるかもしれません

摘果ノギスというゲージを参考に摘果して、時期に適したサイズに揃えていきます

早生みかんですが、7月下旬で既に4mmです

8月15日でこのサイズであればMサイズでばっちりなんですが、L以上の大玉になるかもしれません

と言うことは、この樹ではこれ以上摘果できません

着果ストレスも緩くなり、キズ果、日照不足も残さないといけません

あぁぁ、どうしたものか

カメムシへの対応

雨の合間を縫って未明から薄暮まで防除でした

今後も発生の度に防除が想定されます

品質への対応策

  • 枝吊り:日照不足を解消し、風通しを良くして害虫・病気の発生を抑制する
  • 水分ストレス:灌水を控えてストレスを与える(秋の多雨予報が心配)
  • 液肥の葉面散布:微量要素を補充して光合成を活性化させる
  • (思案中)酢酸の散布:根を活性化させて養分吸収をサポート

水分ストレスに対しては、雨水を土に透さないマルチシートを張ってみようと考えています

日光を反射するので日照不足の解消も期待できますが、根へのダメージを考え慎重に考えてみます

酢酸については、「現代農業」(農業雑誌)で酢の力について紹介されており、H先生も実践を始めました

https://www.jst.go.jp/pr/announce/20170627/index.html

https://www.kaku-ichi.co.jp/media/crop/earth-building/acetic-acid

天然成分の酢で、土壌改良と乾燥対策ができるので、実践を検討中です

 

次にやらかしてくれたのはイノシシ!!

カメムシ被害の後処理のあと、妻と小旅行に行き、極早生の結果と枝吊りを行っていた10日間のうちにイノシシが畑の中でパーティをしていたようです

餌が少ないこの時期には、梅雨で土が柔らかくなるとカズラの根やミミズを食べるため、掘りまくります

高さ1.5mの石垣を幅3mに渡って崩されている

真ん中に谷があり水が流れていたのですが、20mに渡って潰されています

ワイヤーメッシュで囲っている圃場では、ワイヤーメッシュの下まで掘られて進入路ができてしまいました

ワイヤーメッシュがあり草などで目隠しとなっていますが、掘り返したために下に侵入口ができている

圃場内を掘り返されて石垣を崩されたので、進入路を塞ぎ石垣を補修する作業を余儀なくされました

待ったなし!緊急の侵入口対策と石垣補修

イノシシは入り口と餌場を覚えていますので、入り口を塞がないといけません

電柵をするには、周囲の雑木・藪の整理が間に合わないので、ワイヤーメッシュでの補修としました

掘られても侵入口が開かないように少し山側へ寄せ、さらにトタン板で目隠しをしました
補修している近くの藪に大きなシートロールが捨てられていたので再利用しました

掘られてもすぐに進入路にならないように、山側に寄せてメッシュを再配置しました

目隠しをすると畑に向かって入ろうとする行動を阻害できるので、あるもので対応しました

これでは不十分だろうなぁ

年明けの冬場に周囲の藪を刈って、弱い部分にはメッシュを再配置しようと考えています

石垣の修復

1カ所目、2日かけて修復。素人積みですがなかなかでしょ?
2か所目、1日かけて修復

この2枚の写真は2年前にも崩されていて、葛が生えているイノシシの餌場でした

葛の根を除去しながら、石垣を組み直しました

この後、小さく崩されている3カ所を直して、なんとか台風が来る前に、7月中に終えることができました

そしてイノシシは?

石垣を修復しているある朝、農道脇に最近設置された檻にうりぼうが捕らえられていました

うりぼう3頭。周囲はかなり掘り返されており、親が近くにいそう

秋冬は、みかんをかなり食べるので太っていますが、結構痩せていますよね

餌が少ないのだと思います

数日後、成体が捕獲されたようです(M氏写真提供)

数日後には、別の大型の檻に親とみられるイノシシが捕獲されました

この数日で結構な頭数が捕獲されました

これで、被害が縮小されてればよいのですが、、、

 

イノシシが居たところにはマダニあり

右前腕。かさぶたみたいに見えますが、マダニです

なんと今月2回もマダニに咬まれてしまいました

  1. 地区の灌水事業の準備作業で、イノシシが居そうな草むらの除草などを行った時
  2. イノシシに荒らされた石垣の補修していた時

ピタッとしたシャツを着たり手袋をして侵入阻止に気を付けていたのですがやられました

対策していたから、まだ見つけやすいところで済んだのかもしれませんね

マダニに咬まれたら皮膚科に受診しましょう

マダニは死に至る感染症を媒介する可能性があります

自分で外さずに医師に綺麗に取ってもらいましょう

本当に色々あった1ヶ月でした

イレギュラーな事象で翻弄されたひと月でしたが、なんとか本来必要な業務もこなすことができました

草の管理がある程度行き届いていたので、除草作業が一日半で終わったのが、これまでの経験の賜物でした

朝の早起きが大事ですね

4時に起きて、5時前くらいからカッパ着て防除でしたが、空調合羽で快適に仕事ができました

10時以降は別の仕事と割り切って、スケジュールを組まないといけませんね

また大きな経験値を得た一月でした

 

最後まで読んで頂き誠に有難うございました

これからも応援よろしくお願い致します

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