みかんへの夏肥(実肥え)・秋肥(お礼肥え)について(今年の反省を踏まえて)

みかんの着果量が少ないのはなぜ???

下津町・有田地方は表年の傾向なのに自園のみかんが着果量が少ない!?なぜ??

就農初年度2021年を基準として、2022年不作、2023年豊作、2024年不作と隔年結果を是正できずにいる新米農家です

先生からは、施肥量に問題があるのではないか?と指摘されています

みかんの習性は発芽から2年かけて結実するので隔年で豊作不作を繰り返す

この原則は、就農2年目で痛いほど実体験しました(泣く)

新種か?突然変異か?と思うほど着果量が少なく、大玉ばかりが結実しました

非農家で庭でみかんを育てている方も安定しない~と悩まれているかもしれません

ちょっと私の事例とあわせて原因を探って頂ければと思います

※専門家ではありませんので誤認があるかもしれません


各年のみかん栽培概要(振り返り)

2021年<豊作>着果量普通・小玉中心

  • 春の剪定:未実施
  • 春の施肥:窒素量として約8kg・N/10a
  • 夏の施肥:なし(春夏同時)
  • 夏の摘果:加減がわからずほぼ手付かず
  • 気温降雨:平年並み
  • 秋の剪定:初めて習ったことを実践(適当な芽出し剪定を乱発)
  • 秋の施肥:窒素量として約8kg・N/10a

各地の栽培指針では普通温州で25kg・N/10a(最低限でしょうね)のため明らかに少ない

参照(過去の施肥量についての記事):https://mikan-kitabun.com/amountoffertilizer/

問題点

  • 春夏を合わせた施肥を親がしていたのを倣ったが明らかに少ない→樹体栄養が枯渇
  • 着果量が多いにもかかわらず摘果で調整できていないので樹体への負担が大きい
  • 次年度が裏番にも拘わらず、習ったばかりの芽出し剪定を理解せずに行って成り芽(実となる花芽)を切り落とした

2022年<不作>着果量少なく大玉ばかり

  • 春の剪定:就農前、あまり整枝剪定されていなかったため強い整枝・剪定
  • 春の施肥:窒素量として約7kg・N/10a
  • 夏の施肥:窒素量として約8kg・N/10a
  • 夏の摘果:摘果ができないほど着果量が少ない
  • 気温降雨:若干空梅雨、秋の降雨が多い
  • 秋の剪定:夏秋梢が多く切除と芽出し剪定
  • 秋の施肥:窒素量として約8kg・N/10a

問題点

  • 逆行枝・徒長枝が多い、剪定を習い始めたからやってみたいこともあり、前年秋と当年春の剪定を調子に乗って強剪定したためなり芽が少なく、更に強剪定のため樹体を大きくしようとする栄養成長が強くなった
  • 年間窒素量は23㎏・N/10a(指針上では25なので最低限の量?)と増えたが、先生の施肥量は50kg・N/10aなので半分のため施肥量が少ない

2023年<豊作>着果量多く、中玉より若干小玉より

  • 春の剪定:前年の不作がトラウマで花芽が多いにかかわらず芽出し剪定が不十分
  • 春の施肥:窒素量として約7kg・N/10a
  • 夏の施肥:窒素量として約8kg・N/10a
  • 夏の摘果:摘果が不十分
  • 気温降雨:5月と6月の豪雨以降は雨が少ない
  • 秋の剪定:翌年裏年のためほぼせず
  • 秋の施肥:窒素量として約8kg・N/10a

問題点

  • 花芽が多いのに花芽を減らす芽出し剪定が不十分のため着果量多め
    ※徐々に芽出し剪定も理解し始めていたのか、2021年ほどの小玉ではなくM・S率が60%
  • 夏肥が少なく秋の花芽分化に養分が足りていない可能性がある
  • 6月の豪雨被害により直前に施肥した養分が流亡した可能性がある

2024年<不作>(現時点)着果量少なく、大玉傾向

  • 春の剪定:裏年のためノコギリを中心とした整枝剪定とした
  • 春の施肥:窒素量として約7kg・N/10a
  • 夏の施肥:窒素量として約8kg・N/10a
  • 夏の摘果:着果が少ないことと、酷暑のため日焼け果が多く摘果を控える
  • 気温降雨:歴代最高酷暑と降雨が少ない
  • 秋の剪定:夏秋梢が多く切除、芽出し剪定を行う
  • 秋の施肥:窒素量として約16kg・N/10a

問題点

  • 芽はあるに花が少ない→前年秋の花芽分化時に養分が足りていない可能性
    豪雨による冠水で被害にあった平地の圃場で花が極端に少ないため、前年の豪雨被害による夏肥の流亡の影響が強く示唆される
  • 冬場の降雨量が少なく、暖冬も影響している可能性があり、これを鑑みての開花前の液肥散布が遅れてしまった

抽出された課題

  • 剪定:樹ごとの着果状況を鑑みた剪定技術の向上(なり番時は芽出し剪定、うら番はのこぎりで整枝)
  • 夏肥(9-10月の花芽分化):豊作シーズンには夏肥量をさらに増量。【窒素量1.6kg/収量t】を最低量として着果量が多い樹には倍量を施肥
  • 秋肥(樹勢回復と翌年の発芽・開花を揃える):従来より増量する:16㎏・N/10a【窒素量3.2kg/収量t】
  • 着花コントロール:春の着果状況を見定めた開花前の液肥散布(NorP)でコントロール

みかん栽培の上で大事なこと

剪定技術の未熟さは痛いですが、やはり【翌年の発芽促進と花芽分化をしっかり確保する】ことが大事で、そのためにはしっかり夏肥・秋肥を施肥することだと改めて気づかされました


みかんの着果量と夏肥・秋肥の関係性

みかんの着果量が少ないという問題に夏肥・秋肥がどのように関わってくるのか、詳しく見ていきましょう

夏肥が着果量に与える影響

  • 実肥えとして果実の品質向上:リン酸は果実の肥大を促進する働きがあり、アミノ酸は植物の光合成に必要な酵素の材料となり光合成を活性化させます

  • 翌年の花芽分化を促す:生理的にみて9月から11月上旬までと、2月から3月にかけての時期に花芽分化に大きく影響が出る
    特に2月から3月は影響が少し弱く9月から10月ごろが最も影響しやすいので、この時期に結果母枝を充実させておく必要がある

前年の着果量が多かったこともありますが、夏肥の流亡が大きな要因となっていると思われます

夏肥大事ですね!

参照:JA尾張中央 果樹だより https://ja-owari-chuoh.or.jp/saibai/202008kaju/

秋肥が着果量に与える影響

秋肥は、収穫後の樹勢回復、翌年の花芽形成を促し、結果として着果量に大きく影響します

  • 樹勢回復: 秋肥によって樹勢が回復することで、翌年の花芽分化が促進され、花の数が増えます
    花の数が増えれば、当然ながら結実する可能性も高まります
    また、樹勢が回復していて園内の樹勢が均一となってれば開花期がそろい、防除管理がしやすくなります
  • 養分蓄積: 秋肥で与えた養分は、樹体内に蓄えられ、翌年の花芽や新梢の生育に利用されます
    十分な養分が蓄えられていれば、花が大きくなり、品質が良くなります
  • 根の発達: 秋肥によって根の発達が促され、水分や養分の吸収能力が向上します
    根がしっかり張っていれば、樹体は安定し、花や果実を養う力が強くなります

      秋肥の施用するうえでの工夫

      極早生みかん

      • 施肥時期は収穫直後ですが、主幹部付近にキズみかんなどを残しておく(ならせたまんま放置)
        ※師曰く、収穫を終えてしまうと根が休んでしまうため、キズみかんでも最後まで仕事してもらうのだそうです

      早生みかん・普通みかん

      • 時期は収穫前の降雨前に施肥し、雨によってカビを生やして分解を促進する
        ※降雨でにおいが抑えられ、カラスに食べられることも少なくなります

       

      経験を積まれた諸先輩方においては当たり前のこと、、、なのでしょうが、経験して痛い目を見ないとわからないこと、気づかないこといっぱいです(泣)

       

      先生曰く、

      おいしいみかん作るには、毎年芽を出させること!その芽を早く黒々とした葉に成長させること!!

      この言葉を改めてかみしめて、秋の施肥が終わったこの後、秋の剪定、来春の剪定と施肥に臨んでいきたいと思います

       

      最後までご覧頂いて誠にありがとうございます

      間違い、誤認があるかもしれませんので、複数の記事を参照ください

      正解をご存じの方はご指摘頂けると有難いです

      私の作っているみかんはこちらから→https://mikan-kitabun.net/

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