昨年6月2日は海南市では線状降水帯が発生し、下津町の私の倉庫も浸水被害を受けました
自宅や圃場に被害がなかったのは不幸中の幸いでしたが、周囲では自宅の床上浸水被害もあり、引っ越された方もいます
無事に全国において被害なく過ごされることを、本当に祈念します
6月~7月にかけて最も警戒しているのは
6月は気温も上がり、梅雨で湿度も上がります
厄介な病害虫が出現してきます
みかんの樹を枯らすゴマダラカミキリムシ(害虫)
ピークは6月中下旬~7月上旬
こいつは幹の中に卵を産み付けて、幼虫は樹の中を食い破って樹を枯らせるえげつない奴です
みかんの果実に灰白色の傷をつけるチャノキイロアザミウマ(害虫)
ピークは5月下旬~6月中旬、9月上旬
昨年被害が顕著でした
※5月末に散布したのですが、6月2日の豪雨で残効がなくなってしまったのかもしれません
雨で拡散する黒点病(細菌感染)
みかんの見た目に加えて貯蔵時の腐敗原因となる感染症です
貯蔵みかんが50%のウェイトを占めるので、腐敗対策には苦心しています
去年は換気が不十分な点も重なり、2月に入ってから5%近くの腐敗を出してしまいました
そこで今月の防除予定は6/1と6/10に予定しています
- 【6/1】かいよう病対策:展葉したばかりの新梢に対するかいよう病菌の感染阻止
- 【6/10】黒点病の感染阻止、チャノキイロアザミウマ、ミカンハモグリガ、アブラムシ、あわてん坊のゴマダラカミキリ虫の同時殺虫
あとこの薬に加えて、窒素や微量要素を含む液肥とアミノ酸系の液肥、マグネシウムを混用して散布します
使用する薬剤
かいよう病:ICボルドー
3月の散布で現病斑からの菌放出を封じ込め、今回の散布で柔らかい新梢への感染を阻止します
5月中にできないのは、配合されている石灰成分で薬害が生じるためです
アビオンEという展着剤を加用して、新梢の自己摘心が終了した段階で行います
※アビオンE:葉焼けの薬害を抑制することが実証済み
※自己摘心:自然に新芽の成長点が止まり、芽の先端が取れます
黒点病:ジマンダイセン(殺菌)
枯れ枝に潜む糸状菌から胞子が雨によって流れ出し放散することで感染拡大します
果皮の見た目に黒点がつくということに加えて、収穫して貯蔵時に軸腐れ病を発症するので防除をします
※見回るたびに、細い枯れ枝から徹底的に切り落とし処理しています
なので、秋まで定期的に散布を行っています
チャノキイロアザミウマ:アドマイヤ―(殺虫)
6月上中旬と9月に活動がピークを迎える害虫
6月頃に発生すると果梗部周辺(軸の周囲)に灰白色の傷ができ、9月頃には果頂部(枝が着く部位と反対側)に灰白色の傷がのこる
アドマイヤ―は残効性も高いので、あわてん坊のゴマダラカミキリ虫にも効いてくれることも期待しています
また、苗木も成木の間に植えているので、アブラムシやミカンハモグリガ(エカキムシ)による若い葉の防除をしてくれることを期待しています
JAながみねのI氏アドバイスによる防除暦と、見回り観察を基にタイミングよく丁寧に防除して、健康な樹を育てていきたいと考えています