今年収穫するみかんと来年の実りに向けた忙しい5月
5月は幼果と新芽が急成長する時期になります
暖かくなって虫も湧くし、病気も出始めます
さながら乳児への給仕と予防接種のような感じです
今年の実りのみかん(果実)も重要ですが、注力するのはむしろ新梢(来年の結果母枝)の早期緑化です
師曰く「この緑化に肥培管理の70%注力する」だそうです
新しい葉が、「早く」「大きく」成長すれば、光合成を「早く」「旺盛に」してくれる
美味しい実りに繋がるし、来年の実りも保証してくれるので大事です
どんなことをしていたか、振り返ってみたいと思います
来年の結果母枝が成長する5月
昨年収穫した果梗枝を整理剪定して、そこから来年に実りをもたらす新梢が芽吹き、葉が展葉しました
この葉の早期緑化にて、以下の多くのメリットを得る大事な栽培管理です
- 来年の実りの確保(連年の収量安定&大果などのばらつきを抑えて品質安定)
- 光合成による養分産生で食味向上、樹勢維持(品質・樹の健康維持)
- 幼果が生理落下するのを抑える(裏年の収量維持&大果などのばらつきを抑えて品質安定)
- 葉への害虫対策(エカキムシ等の抵抗性獲得)
作業としては
新芽を食害する【5月初めのケムシ、アブラムシ対策】
緑化促進の窒素、花芽が少ない園ではリン酸を効かせた【5月毎週の液肥散布】
土壌改良と展葉期の養分補給として【5月下旬のケイ酸資材とマグネシウム、肉カス入り有機配合肥料の施肥】
毎週何らかの散布と、雨前を狙って施肥を行いました
花芽を開花させ幼果になる5月
昨年に芽吹いて伸長した新梢が結果母枝に成長して、脇芽に花芽が出て幼果をつけました
小さい幼果に対するキズ対策ですが、液肥散布の機会に混用しました
この花弁にカビが発生するので【5月前半にカビ対策】を行いました
幼果に傷をつけたりするチャノキイロアザミウマ、カイガラムシの【5月下旬に害虫対策】を行いました
この2種類は一度に混用して散布することもできますが、液肥を散布する予定もあるので適期より合わせて分けて散布しました
毎週何らかの散布を行っていました
面積が広かったり、水稲も兼ねたりと品種が多い農家や、高齢化で効率よく1回か2回にまとめる農家もあります
【5月中に5回の液肥散布すれば緑化は完璧!】という肥料アドバイザー(肥料屋さん)の口車((笑))に乗って、毎週散布にチャレンジしています
子や孫、家族友人、お客様に美味しいと言ってほしいですからね
師事している先生や先輩諸兄も行っているので逸脱しているわけではないです
適切なタイミングで抗菌薬・殺虫剤を使用して、手散布で丁寧に防除すれば、再散布や過量などの農薬の無駄遣いは減ると信じています
樹体を健康に維持できれば、抵抗力も高くなり、どんどん肥培管理は効率良くなると信じています
安心して食べれる美味しいみかん作りの70%の仕事
そう考えれば、病気や虫の発生を観察しながら天気とにらめっこして、防除散布や施肥をするこの時期を過ごすことは苦になりません
これからの梅雨時期以降は、雨の被害への対応、樹を枯らすゴマダラカミキリ虫の駆逐、イノシシの侵入対策、夏草のせめぎあい、7月以降は品質を上げる摘果と枝吊りが始まります
作業としては、慌ただしさはないですが、暑さとの根競べですね
朝早起きして、午後は涼んでのんびりするのが理想ですが、、、、頑張ります!