和歌山県海南市下津町は、古くから温州みかんの名産地として知られてきました。温暖な気候と海風、そして水はけの良い段々畑という地理的条件がそろい、ここで育つ「下津みかん」は、濃厚な甘みと酸味のバランスが抜群で、多くのお客様に「美味しい」とご好評をいただいています。北文園でも、こうした恵まれた環境のもとで、産地直送の「コスパの良い和歌山みかん」をお届けすることに力を入れてきました。特に「つきイチみかん定期便」は、毎月旬の味わいを楽しんでいただけると人気の商品です。
しかし、この恵み豊かな里山でのみかん栽培は、自然とのせめぎ合いの中で成り立っています。その代表的な課題のひとつが「鳥獣害」、特にイノシシによる被害です。
イノシシ被害の現状
当園は、半分ほどの園地が山の斜面に位置し、イノシシの生息エリアと隣り合わせです。防護のためにワイヤーメッシュやトタン板で柵を設けていますが、イノシシは想像以上に力強く、また知恵も持っています。古くなった柵の隙間を突き破ったり、地面を掘って下から潜り込んだりして侵入してくるのです。
今年の夏も例外ではありません。8月に一度畑が荒らされ、みかんの木の周囲に足跡や土の乱れを見つけました。
その時は怪しい箇所をふさぎ、なんとか再侵入を防いだつもりでしたが、9月に入るとまたみかんの食害が散見されるようになりました。果実が丸ごと食べられるだけでなく、時には枝ごと折られてしまうこともあります。
収穫目前の実が奪われるだけでなく、来年以降の木の成長にも影響が出るため、農家にとっては大きな痛手です。調べてみると、トタン板で補強していた箇所が劣化し、そこから突破されていたことが分かりました。
鳥獣害は農家の悩みの種
こうしたイノシシ被害は、農家にとって常に頭を悩ませる問題です。被害を防ぐためには、柵の設置や点検、補強など多くの労力とコストがかかります。しかし、完全に侵入を防ぎきることは難しく、まさにいたちごっこのような状況です。
それでも私たちは、この土地で農業を続けていく以上、自然と向き合い、工夫を重ねるしかありません。地区全体としても捕獲用の箱檻や罠を設置するなど対策を進めていますが、根本的には「人と野生動物が隣り合わせで生きる」ことの現実を受け入れる必要があります。
里山を守る取り組み
私たち下津町の農家や地域住民は、単に被害を防ぐだけでなく、「里山を荒廃させない」活動にも取り組んでいます。国の事業としても全国で里山の保全に取り組まれています。
農地が休耕地になってしまうと、その周囲の草木が伸び放題になり、鳥獣の格好のすみかとなります。結果として被害が広がり、さらに農業の担い手が減るという悪循環に陥ってしまうのです。
そこで、農地を遊ばせないように新規就農者への斡旋を進めたり、集落全体で里山管理を続けたりしています。農業者が農地を耕し続けることこそが、地域の環境を守り、里山と共生するための最前線だと考えています。
農業者の存在が未来を支える
イノシシ被害は大きな悩みですが、それでもこの地で農業を続ける理由があります。それは「和歌山・下津の美味しいみかんを、これからも届けたい」という思いです。自然とのせめぎ合いの中で実ったみかんには、特別な価値があると信じています。
農業は決して効率の良い仕事ではありません。しかし、「旬を味わう喜び」や「産地直送だからこその鮮度とコスパ」、そして「つきイチみかん定期便で毎月届く楽しみ」といった価値は、農家が畑を守り続けるからこそ提供できるものです。
和歌山県下津町のみかん農家として、これからも里山を守りながら、美味しいみかんを皆さまにお届けできるよう努めてまいります。
※当園では、こだわりの和歌山みかんを産地直送でお届けしています。9月末から出荷を始めますのでお楽しみにしてください。
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