梅雨なのにもう夏? – 極端な天候とみかん栽培への影響

こんにちは、和歌山県下津町でみかん栽培を営む北文園の北東です。暑い日々が始まりましたね。連日「熱中症患者が〇人運ばれました」という報道をよく耳にします。皆様もお気を付けください。

異常な気温上昇

6月16日、和歌山県に熱中症警戒アラートが発表されました。これが数日間続いたのですが、梅雨入りしたはずのこの時期に、まるで真夏のような暑さが続くとは想像もしていませんでした。

梅雨と言えば、通常であれば曇りがちで湿度の高い蒸し暑い日が続くものです。しかし今年は全く違います。雲一つない快晴の日が連続し、日差しは既に夏を思わせる強烈さです。「梅雨空」という言葉が死語になってしまったかのような1週間でした。

6月16日14時、倉庫内の温度。

降雨の極端な偏り

さらに困惑させられるのは、わずか1週間前には数日間で200mm近い雨が降ったことです。これは通常の梅雨の1ヶ月分に相当するような大雨でした。

降雨が媒介する黒点病という病気がありますが、薬剤は200mmで流れ落ちてしまうので追加防除が必要となります。通常、6月初旬散布で1か月後の7月という予測でしたが、前倒ししようか悩んでいます。

今の直射日光が強く高温が続くと思うと、命の危険を感じてしまいます。23日から梅雨が戻りそうなので、そのあとに徐々に取り組もうと考えています。

強風による被害

天候の激変は気温や降雨だけでなく、風の強さにも表れています。先日の悪天候の際には強風も吹き、残念ながら植えて3年目の若木の主枝が折れてしまいました。

この若木は、来年から本格的な収穫を期待していた大切な樹でした。3年という歳月をかけて大切に育ててきただけに、この被害は心が痛みます。主枝が折れたということは、樹形の再構築が必要になり、収穫開始がさらに1〜2年遅れる見込みです。

これも自然相手の農業の宿命として受け入れ、前向きに対処していくしかありません。

基本骨格(背骨)となる主枝が裂けるように折れています。薬を塗りましたが、主枝として活躍できるかは不明。それより全体が枯れないか不安。

合羽を着ての防除作業はまさに地獄

この時期は、みかんの病害虫防除にとって非常に重要な時期です。高温多湿の条件は、カイガラムシやハダニ、そして各種の病原菌にとって絶好の繁殖環境となります。

通常であれば計画的に防除作業を進めるところですが、この猛暑の中での作業は文字通り命がけです。日中の気温は35度近くとなり、強烈な日差しの下での長時間の作業は熱中症のリスクを伴います。

手散布の防除作業では、薬剤の散布のために段々畑を歩き回ります。合羽を着て約1時間半はもう地獄です。このような作業を安全に行うためには、作業時間の調整や適切な休憩、水分補給が不可欠です。

暑熱順化への取り組み

このような厳しい条件の中で作業を続けるために、「暑熱順化」に取り組んでいます。

具体的には、作業時間を早朝や夕方の比較的涼しい時間帯に集中させ、日中の最も暑い時間帯は避けるようにしています。しっかり汗をかきつつ、水分とミネラル補給をして、こまめに休憩もしっかりとっています。そして適切な作業着の選択など、熱中症予防のための対策を徹底しています。

皆さんも気を付けてくださいね。

日本気象協会 暑熱順化とは:https://www.netsuzero.jp/learning/le15

気候変動と農業の未来

今年の異常な天候は、地球規模の気候変動の影響の一端かもしれません。農業従事者として、これまでの経験や常識では対応できない状況に直面することが増えています。

野菜農家さんは暑さに強い品種に変えたりなど喫緊の問題として取り組まれていることでしょう。果樹農家としては植え替えることは容易ではないです。

施肥量を増やして樹体と根を強くすること、あとは最近では巣の力が注目されているので液肥としての活用を検討しています。草を抑える効果と害虫の忌避効果も期待できるので今年から取り入れる予定です。

現代農業web お酢の力:https://gn.nbkbooks.com/?p=42083

品質へのこだわりを維持しながら

どのような困難な状況にあっても、私たちが決して妥協しないのは、みかんの品質です。北文園のみかんを楽しみにしてくださっているお客様のために、最高品質のみかんをお届けするという使命感が、私の原動力となっています。

そのためには、この暑さの中でも必要な作業は着実に行わなければなりません。ただし、「ぼちぼち、焦らず」という姿勢を大事にしたいと考えています

おわりに

暑さに負けず、でも無理をせず、「ぼちぼち、焦らず」の精神で、今日も園地に向かいます。

これからも北文園のみかん作りの様子を、このみかん日記を通じてお伝えしていきますので、どうぞお楽しみください。皆様も暑い日が続きますが、どうぞお体をお大事にお過ごしください。


※当園では、こだわりの和歌山みかんを産地直送でお届けしています。9月末から出荷を始めますのでお楽しみにしてください。 メルマガに登録頂けますと受注開始のご案内をさせて頂きます。宜しければ登録をお願い致します。 メルマガ登録はこちら→https://mikan-kitabun.shop-pro.jp/customer/newsletter/subscriptions/new

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